ブルマンの愛称で親しまれるコーヒー“ブルーマウンテン”のことをそう語るのは、UCCのコーヒー農園の園長を務めるウィンストンさん。2012年にカリブ海で起きたハリケーンの影響で、ブルマンの木は倒れ、それ以来、日本での登場の機会をほとんど失っていたのです。世界中で1日に飲まれるコーヒーは 20億杯とも言われますが、その中で“コーヒーの王様”と呼ばれる希少な存在のブルマン。もともと日本の市場に出る機会が少なく、100 杯に1 杯もいかないほどの割合でしか飲まれていませんでした。そこで、UCC 創業会長の上島忠雄が立ち上がり、1981年、ジャマイカに“UCC ブルーマウンテンコーヒー直営農園”をつくったのです。日本のコーヒー企業として初めての試みです。1本の苗木から始まり、豆になり、日本に出荷するまでに2年以上かかりました。山火事などの自然のキビしさと、海外の方とのコミュニケーションのムズカしさ。それらをひとつずつ解決して生まれたのが、ブルマンです。そもそもブルーマウンテンとは、ジャマイカで最も高い山の名前。その山の中でも、高さ1200m近くの限られた地域の、キビしい環境で育ったコーヒー豆しか、ブルーマウンテンを名乗ることは許されません。ハリケーンは、ほろ苦い経験でしたが、ピンチな状況から立ち上がるからヒーローになれるのでしょう。考えてみれば、コーヒーは文化です。ベートーベンやバッハは、コーヒーを飲みながら作曲に励んだ。ナポレオンは、兵士たちにコーヒーを飲ませた。作家のゲーテもコーヒー愛好家。遠山の金さんのモデルである遠山景元は、お茶よりもコーヒーを愛した。UCC には“カップから農園まで”という言葉がありますが、コーヒーを買いつけるだけではなく、農園で0からつくりました。これも文化をつなぐためです。文化を伝えるために、30年前にコーヒー博物館もつくりました。この秋、「Next Coffee Culture」を合言葉に、UCC は新しい挑戦をしていきます。日本初の真空包装レギュラーコーヒー。世界初の缶コーヒー。これまでも未来の“初めて”を次々とつくってきました。“いつでも、どこでも、一人でも多くの人においしいコーヒーを届けたい”という精神は、創業して 80 年以上経ったいまも生きています。アイスコーヒーの生みの親は日本人だそうですが、“なぜ誰もやらなかったんだ”というコーヒーのカタチ、まだ誰も味わったことのない体験を、発見してつくりつづける、私たちが UCC です。 2017 UCC上島珈琲